■■Report #112 Report index


♪アルプス5千尺~


「宿題終わった?」「あと日記だけ!」
2012年10月26日。今日は金曜日。
当然、小学生であるよっすぃー隊員とカズ隊員は学校である。
帰宅するなりすぐに宿題を済ませた二人は、お風呂を済ませてスタンバイ。
タイチョーが仮眠から起きると出発だ。

そして午後6時過ぎ、へなちょこ5号に荷物を積み込み、いざ出発!
目指すは、長野県上高地。

車内で移動しながら夕食をとり、ひたすら走る走る…(運転はもちろんタイチョーが)
琵琶湖を見ながら一休みすると、再び走り続け、上高地に到着した時には、日付が変わろうとしていた。
沢渡(さわんど)駐車場には、他にもたくさんの車が停まっていて、そ~っと車を停めると、ゴソゴソと寝床作り。
チビ隊員ズは車で移動中座ったまま寝ていたので、出来た寝床にそのまま移して今夜はここで一泊。

翌朝、目を覚ました我々は、車から出て驚いた。

「わっ、めちゃくちゃキレイなんですけど!」

夜中に着いたので、外の景色が見えなかったのだが、明るくなってあたりを見渡すと、一面の黄葉。
もうここだけで十分印象的な景色だったのだが、せっかく来たので行かなきゃね。
朝ごはん(朝からカップ麺は基本)を済ませ、しっかり着込んでいざ出発!
目指すはタクシー乗り場?!

上高地は、自然保護を目的にマイカー規制が行われている。
なので、平湯駐車場、沢渡駐車場で、バスまたはタクシーに乗り換えないと行けないのだ。
今回は、マシャ隊員含む荷物が大きいのでタクシーで行くことに。
上高地は、
飛騨山脈の谷間を流れる梓川沿いの大正池~横尾までの約10km続く堆積平野である。
大正池で降りてバスターミナルまで歩くか、バスターミナルから横尾まで歩くか…
何せマシャ隊員もいるこのメンバーである。悩む。

以前、(Report#10参照)大正池で降りて、バスターミナルまで歩いたので、今回はバスターミナルから歩いて大正池は諦めるか。
でも大正池も見せてやりたい…でも一度降りると次のバスに乗れる保障はなく、ましてやタクシーを拾うことなんて出来ない…と、思っていたら、タクシーの運転手さんのご好意で大正池で一旦停めて待ってくれる事に…!なんていい人!

▲焼岳をバックに
▲ありがとう、タクシーの運転手さん…
大正池で写真を撮り、再びタクシーへ。
バスターミナルで降りて、トイレを済まし、歩き始める。

天気は晴れたり曇ったり。気温は7度くらい。

肌着に長袖インナーにフリース、カズ隊員はウインドブレーカーを羽織り、寒がりよっすぃー隊員はダウンを着込んでいる。
ワタシはというと、背中にマシャ隊員を着込んで(?)いるので、フリースで十分暖かい。いやむしろ暑い。
マシャ隊員はもこもこスーツを着込んでいる。背負われているだけなので、寒いのだ。

今回、我々へなちょこ隊の新装備「へなちょこ6号」であるドイター社キッズコンフォートⅢ導入でマシャ隊員も参加可能になった。


普通の抱っこ紐でも行けなくはないが、安定性が良いこと、ワタシが肩が凝るのと、そして何より周りの目のことを考えて、登山用品メーカーのものを購入。ちゃんと日よけフードもあるし、自立もするし、荷物も入るし、専用のレインカバーもあって安心なのだ。
子どもがいるから行けないのではない、どうやっていかに安全に連れて行くかを考えるのだ…。

梓川に沿って歩いていくと、黄葉したカラマツの木が、時折雲の切れ間から指す日の光で金色に見える。
マツが黄葉?
そう、マツが黄葉するのである。
日本固有の種だそうだが、黄葉したうえに落葉するのである。
じゅうたんを敷き詰めたように、あたり一面が落ちた葉で黄色になってふかふかしている。

こんなマツがあったなんて知らなかった!

「カモ!カモがおる!」
このカモはよく慣れていて人間が来ても逃げようとしない。今回は見ることが出来なかったが、オシドリも居るのだ。

程なくして有名な「河童橋」に到着。
バスターミナルから5分とあって、観光客で溢れ返っていた。
上高地の中心にあってシンボル的 存在ともいえる木製のつり橋だ。
この河童橋が写る写真を良く見るが、実際にココからの景色はとても良いと思う。
梓川の清流の向こうにそびえ立つ北アルプスの穂高連峰がとても美しいのだ。
今日は残念ながら曇っていて見ることができないが。


アルプスといえば一番に出てくるのが、♪アルプス一万尺~♪の歌なのだが、一尺が約30.3cmなので、一万尺は3030m…。
この上高地は、標高約1500m=五千尺なので、上高地には五千尺ホテルや五千尺ロッヂという名前の宿がある。


♪アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょう♪

実際の小槍は険しくてアルペン踊りは出来ないそうなので、せめて五千尺で…!
と思ったが、アルペン踊りがどんな踊りかわからないので、諦めて河童橋を渡り、梓川の右岸の遊歩道を歩き出した。


川沿いを歩いていくと、時に山の中に入ったり、木道があったり、小川を渡ったり、様々な表情を見せてくれる。
対岸に見えるカラマツの大木の並木は壮観で、思わず見とれてしまう。
足元に倒れて朽ちた大木から、新たな小さな木が芽生えているのをよっすぃー隊員が感動的に見ている隣で、カズ隊員は「わーっキノコキノコ!」とはしゃいでいる。これだから小学生男子は…。
木道をよそ見しながら歩くカズ隊員を後ろから見ているこっちは気が気ではなく、何度も「ああっ!」「前ッ!」と叫んでしまう。
でも足元も見れないほど、彼にとっては新鮮な景色なのだろう。キラキラした目で色んなものを見て確かめている。
ああ、何か吸収してるなと「親」として目を細めて見ていたところ、
『ガラン、ガラン』
ワタシの隣で缶を振る音。
これはよっすぃー隊員のドロップの缶の音だ。
ハンガーノックを起こされては困る(
Report#93参照)→飴を持たせる→ゴミが出るのは困る→ドロップ。
要所要所で食べなさいとリュックに入れているのだが、何だかしょっちゅうその音が聞こえるような…。
まぁ、マメに補給するのは重要なことだけど、なんていうか…台無し?熊鈴だと思えばいいか???ああもう、これだからスイーツ大好き小学生女子は…!



少し歩いていると、水の音が大きくなる。
沢だ。
橋を渡りながらその流れに目を凝らすと、魚が!
イワナだ。
でももしかしたらブラウントラウトかブルックトラウトかレインボートラウトかもしれない。
しかももしかするとそのハイブリッド(交雑種)かもしれない。
水は大変きれいなのだが、流れがあるので反射してよく見えない。
よくみると、足元にもあそこにも!
人間がこんなに近くに居ても全く意に介さないというのは、禁漁区ならではか。



約3.5km、おやつを食べつつのらりくらりと歩いて、時間にして約2時間。
明神池に到着。
昼食をとるため嘉門次小屋で一休み。

ここ、嘉門次小屋は、上條嘉門次の名にちなんだ山小屋だ。
古くは信仰、修行の場であった日本の登山を、レジャーとして広く知らしめたウォルター・ウェストンの山行きを案内したのが上條嘉門次である。現在の当主は嘉門次の曽孫にあたるそう。(説明長ッ!)

まず席を確保してから注文するレジの列に並ぶのがココのルール。
「山菜そば4つと、イワナの塩焼き2つ…あとビール!」
しめて5400円也。うわ高ッ!と思ったが、こんな山の中で温かい蕎麦が食べられて、冷えたビールに香ばしい香りのイワナの塩焼きを食べられる店が他にあるだろうか、いやありはしない。(反語)
ありがたくいただきます…。


「イワナおいしい~!」
喜ぶよっすぃー隊員とカズ隊員。ワタシ一口しか食べてませんけど。まぁ、二人が喜んだのでまぁいいか。
マシャ隊員もロッキーカップに取り分けたそばを、もぐもぐもぐ…。

大小二つの池からなるこの明神池は、穂高神社(奥宮)の中にある。

ということは、拝観料を払わないと中に入れないのか…せっこいなー(どっちがだ)でもせっかく来たしなーってみんな300円払うんだろうな。。。

明神池は別名「鏡池」とも呼ばれ、その名の通り池の間近にそびえる明神岳が静かな水面に映ってキレイだ。
クマ出没中の張り紙におびえ(だってさっきご飯食べてた時に一緒になった人が、この先にほやほやのクマのうんにょがあったって言うんだもん)つつ、ぐるりと池の周りを歩いてから、明神池を後にする。
再び梓川に沿って歩き出す。
マシャ隊員が寝始めたので、ここで背負子をタイチョーにチェンジ。
寝てたら、背負っているのが誰でも文句いわないもんね。
なにかしら、体が羽が生えたように軽いわ…。今ならスキップもできそうよ。
事前にトレーニングしたとはいえ、背負子は重い…。
橋を渡り、徳沢目指して歩く。歩く。歩く。

時計に目をやり、太陽の位置を確認していたタイチョーが、すれ違う人に話しかける。
「ここから徳沢ってどのくらいあります?」
「ん~、まだもう少し、結構あるよー。」

現在15:00。
さてどうする?

山の日没は早い。
帰りは疲れてもっと時間がかかるかもしれない。
そう思うと、このまま徳沢に向かったとしても、帰りが不安だ。

「じゃあ、あの木のところで写真撮ってひきかえそう!」
「ええええええええ」
子どもたちの不満気な声。
でもタイチョーの判断は絶対だ。
みんなで写真を撮って、お茶を飲んで一休みしたのち歩き出す。

無口になるカズ隊員。
疲れているのだ。

やたらアメを食べるよっすぃー隊員。
これも疲れている。

コラ、寝るな!
歩きながら今にも寝そうなカズ隊員にしりとりやらなぞなぞやらで気を引き、よっすぃー隊員にドーナツを渡し…。


あれ、ワタシまで何だか眠くなってきたよ。

パトラッシュ… 疲れたろ…。僕も疲れたんだ。
なんだかとても眠いんだ。
パトラッシュ・・・。
天使が見えそうになったとき、

「…トイレ!」

パトラッシュ…もとい、よっすぃー隊員の一言に一気に目が覚める。青ざめるタイチョー。
当然だが、こんな山ん中、トイレなんてない。

「急げ!歩け!」
さっきまでのとぼとぼした歩きはどこへ、タイチョーとよっすぃー隊員が急に早足で歩き始めた。
そしてあっという間に見えなくなった。


残されたワタシと何とか目が覚めたカズ隊員は、写真を撮ったり、川を覗き込んだりしながらゆっくり追いかける。

河童橋まで戻ると、汗だくのタイチョーと、晴れ晴れとしたよっすぃー隊員がいた。
「間に合ったんだ(笑)」
無事合流。

バスターミナルに着き、おやつタイム。
ここはやっぱり信州名物「おやき」でしょ!

かぼちゃ、ピリ辛野菜、ナス、粒あん、そして野沢菜。
どれにするか悩みながら、ひとつずつ購入。

頑張って歩いた後のおやきは最高!頬張る二人。

あつあつの具にふぅふぅ言いながらあっという間に完食。

お腹も太ったせいか、バスターミナルからタクシーに揺られ、駐車場に向かう車の中で、みんな爆睡。疲れたんだね~。
結果として、目標地点だった徳沢にたどり着くことは出来なかったが、それぞれが達成感を感じていた。いやむしろもう歩くのはいい的な感じだったのか?(笑)
「楽しかったなー」「楽しかったねー」
疲れたといいつつも、皆笑顔で、ちゃんと楽しめたようだ。
口をついて出てくるのは、「楽しかった」ばかり。

駐車場につくと、よっすぃー隊員が急にテンションを上げる。
実はこの駐車場、無料の足湯があるのだ。
「行ってもいい?行ってもいい?」
荷物を置くが早いか、さっそくサンダルに履き替えタオルを持って準備している。
無類の温泉好きなのである。

「あっつーーーーー!」
先に行っていたよっすぃー隊員が真っ赤な足を上げてみせる。
源泉かけ流しの贅沢な足湯は、源泉がかなりの温度なのでけっこう熱いのだ。
追いついたワタシもつけてみるが、これは熱い…。
でも歩き回った足にこの熱さが気持ちいい~!
なんだかんだで薄暗くなるまで茹でられたへなちょこ隊であった。


翌朝、これは絶対筋肉痛になる!と思っていた足も、夕べの足湯のおかげか、それとも(やはり熱い)温泉のおかげか、痛むことなく爽やかに迎えることが出来た。

明日は学校なので、今日はこれから帰らなければいけない。
残念ながら。
宿題の日記の文章を考え考え、途中、道の駅で「飛弾牛」の串焼きを食べ食べ、のらりくらりと帰途に着いたのだった。

今回のポイント。
 ①寄り道をしすぎると、目標達成できなくなる。
 ②なんだかんだで景色がいいのは河童橋まで。
 ③おやつ、重要。
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