■■Report #34 Report index





昔よく浜辺で遊んでいると目にした、ガラスのかけら。

波打ち際でキラキラ光っているのをよく拾い集めたものだ。
所詮ガラスのかけら…なのだが。
先日カエデ隊員と某大型雑貨店に行った時のこと。
あの、ガラスのかけらに「ビーチグラス」なんて洒落た名前が付き、袋に入って売られているではないか!!!!!
値段は見忘れたが、ネット上で売られているものは500gが2000円とか!!!
ありえねぇ!!!
こんなの海辺に行けば、いくらでもあるじゃん!と思い、海へ出かけたのが事の始まりだった。

ビーチコーミング―――
アメリカで生まれたもので、海辺に打ち上げられた漂着物を観察したり、拾い集めたりすること。
海岸をコーム(comb/櫛)ですくいとるという意味だそうだ。
海育ちのワタシ、ミキ隊員は幼少時からよくこのビーチコーミングをしていた。
で、色々拾って帰ってはビンの中に入れた思い出が。
特に好んで持ち帰ったのが、キレイな色をした貝殻と、例の「ビーチグラス」だ。
ビーチグラスとは…
海に捨てられたガラス瓶などが波に洗われて割れ、角がとれ、表面が摩りガラスのようになった破片のこと。
(シーグラス、シータイルとも呼ばれている)
要するに、自然のものではなく、人間が捨てたゴミだったもの。
過去の過ちの遺物なのだ。


そしてやってきたのは広島県福山市内海町、横島のとある海岸。

9月2日、空はすっかり秋の表情を見せ、ウロコ雲らしきものが浮かんでいる。
つい最近まで、海の向こうに入道雲が、モクモクと湧くように出ていたのになぁ。

日中は未だ暑かったが、じっとしていれば汗だくになるほどでもない。
日陰にいれば、風に涼しさも感じる。
そんな中、われわれへなちょこコーマーは、汗をダラダラ流しながら波打ち際をウロウロしていた。
「思ったよりないなぁ」

イワシ雲?ウロコ雲?

一つや二つは簡単に見つかったのだが、集めようと思うとこれがなかなか大変。

昔はもっといっぱいあったのになぁ。
するとタイチョーが一言。
「瓶の海中投棄が減ったんか?」

そうか、みんなゴミ問題を真面目に考えるようになって…って、ちが〜う!!!

瓶製品が減って、ペットボトルに変わったからだ!

それが証拠に、海岸には打ち上げられたペットボトルの山、山、山…。
海水浴シーズンの後だから、特にひどい。
「みんな捨てて帰っていけんねぇ。ゴミ箱に捨てるんよね〜」
3歳のよっすぃー隊員だって知ってるぞ!

ビーチグラスは、過去に人間がガラス瓶を海中投棄したことから生まれた。
海中投棄なんて、もちろんやってはいけない事だ。
しかし海は、それをせっせと磨いて、それを受け入れるかのように、石によく似たものに変えてくれた。
人間の過ちを自然に溶け込ませて受け入れるなんて、海はなんて寛大なんだろう、と思う。


しかしペットボトルは駄目だ。
海の力をもってしても、形を変えることなく、ただ打ち上げられるだけ。
自然との共生はありえない。
甘えるならば、かろうじてガラスは海が何とかしてくれたと言える。
でも、ペットボトルはこの先どうにもなりそうにない。
ペットボトルに限らず、ゴミは持ち帰り、リサイクルへ!が、原則なのだ。

かく言う私も、さすがに海岸に落ちているペットボトルを全部拾って帰れるほど善人ではない。
とりあえず今回は、過去の過ちである「ビーチグラス」という「人工物」を拾って帰り、ビーチコーミングを楽しむついでに環境問題について考えることにした
水切りネットにビーチグラスを拾って行く。
こうすれば、砂が落ちるので便利だ。
ビーチグラスのついでに、キレイな貝殻も拾う。

よっすぃー隊員は、カキ殻ばかり拾ってくる。
ナミマガシワという貝は、ピンク色をしていて、半透明で華奢な貝。
壊さないようにそっと拾って見せる。
このお星様はヒトデ
トゲモミジガイというそうだが、貝ではない。
色々、話して聞かせながら一緒に拾っていく。


ビーチグラスには、大きく分けて、白色、緑色、水色、茶色のものが多い。
飲料水の瓶、一升瓶、ビール瓶…。
元はなんだったのだろう。
人間が故意に捨てたガラス瓶で出来ているんだな〜、と、改めて感じる。
さらにもう一つ気付いたのは、人気(ひとけ)のある海岸に多いこと!
何箇所か回ったが、普段人が来ないような浜辺には少ない。
駐車場から遠ざかれば遠ざかるほど少なくなっていくのだ。
漂流物と違って、流れてやってきたとは考えにくい重さなので、やっぱり、そこに捨てられたものなのだろう。
まだ真新しいビール瓶や、ワインの瓶は、原型を留めており、切り口も鋭い。
裸足で歩く砂浜に、置いて帰るのも何なので、一緒に袋に入れる。
これは持ち帰ってリサイクルゴミに出そう。

形がきれいな「ビーチグラス」だけ持って帰るのも良心が痛むので(笑)

その他、ペットボトル、空き缶、釣り針、花火の燃えカス、バーベキューの炭などが目立った。
どれも最近のゴミだ。
釣りや海水浴に来て楽しんだ後に、捨てて帰ったのだろう。
次に自分が来た時に、こんな汚れた砂浜で釣りをしたり、海水浴をしたりする気になるのだろうか。
そんなことは全然考えてないんだろうなぁ。
タバコの吸殻もたくさん落ちていた
フィルターはいつまで経っても自然に還らないらしい →


駐車場の看板には、『不法投棄は環境犯罪です』と大きく書かれているが、これだけの数のゴミを目の前にすると、ただ虚しい感じがした。
心を捨てたヤツがいっぱいいるもんだ。
「こんなことしたらいけんのよ」
よっすぃーに教えてやる。
「海で泳げんようになるんよ」
少しばかり神妙な顔つきで頷く。

まだ3歳の彼女に、環境問題を語ってもわからないだろう。
しかし砂浜の現状を見せ、ゴミを拾い、持ち帰ることを教える事が、無意味だとは思わない。
ビーチコーミングを通して、海の楽しさ、美しさ、厳しさを感じると同時に、ゴミ問題、モラルやルールについて考え、教えて行けたらと思う。

「じゃあこの紙コップと栗も持って帰る〜!」
いつの間にか拾った紙コップに栗を入れ、大事そうに両手に包む。
なんか違うけど、まあいいや。
そうそう、それも人工物。
よっすぃー隊員やカズ隊員には、少しずつでもわかってもらえればよいのだ。
また来よう。
袋に詰まったビーチグラスに、ちょっとした達成感を得る。
その時『これだけあれば3000円にはなるな、シシシ』、なんてこれっぽっちも考えてなかったのでご安心を(笑)
へなちょこコーマーは、何だか清々しい気持ちで海を後にした。




ちなみに過去にも日野川河口でビーチコーミングをしたことがある(Report#13)。
瀬戸内では見られることがないが、潮の流れの影響で日本海側はお隣の国の漂流ゴミがすごかった。
日本もどこかに迷惑かけてるんだろうなぁ…



■Beach combingをする際は、ガラスや釣り針だけでなく、危険物がたくさんあるので気をつけましょう!
■最近、医療廃棄物(注射器、薬瓶など)や、爆発物(不発弾など)が見つかるケースがあるそうなので、そういったものには
触れないようにしてください!
■当然ですが、波の高い日はやめましょう。
■自分のゴミは自分で持ち帰りましょう!


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