#12 保命酒のお話
鞆の浦名産の薬用酒
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わがへなちょこ隊の本拠地、広島県福山市には、「保命酒」という薬用酒が存在する。
「保命酒」と書いて、「ほうめいしゅ」と読む。(ちなみにワタシは今日まで『ほめいしゅ』だと思っていたのだが)

地元の味を、せっかくなので、全国に紹介してみる。。。


保命酒―――
正式には、「十六味地黄保命酒」という。
高麗人参、桂皮、陳皮など、16種類の生薬がお酒(味醂)に漬け込んまれた健康酒である。


江戸時代。
大阪の漢方医 中村吉兵衛が、当時 鞆の浦(広島県福山市鞆町)で作られていた旨酒(味醂)に生薬に漬け込んで造られたのが始まり。

保命酒を最初に造った中村家が、独占販売権を持っていたそうだ。
中村家は明治時代に廃業し、その
後に創業した4酒蔵が、現在にその味を受け継ぎ伝えている。
写真はその内のひとつ。
中には中村家から譲り受けたとされる、江戸時代作の立派な看板がある。


まったく知らなかったのだが、鞆の観光名所のひとつ、「太田家住宅」は、元・中村家のおうちで、太田家が引き継いで「太田家住宅」と呼ばれているが、この保命酒の生まれた所(保命酒屋)だったそうだ…。それで有名なんだ〜、と改めて知る。

ちなみに、この保命酒、幕末の日米和親条約が結ばれる頃、来日したペリーにも食前酒として出されたとか。
ペリーって言ったら、
ドレミファ…じゃなくて、黒船ですよ、開国ですよ。
そんな有名人も飲んだといわれている酒なのである。


たまたま近くを通ったので、鞆の浦に寄ったわけなのだが、鞆の浦の5月といえば『観光鯛網』が有名で、至る所にポスターやのぼりが掲げられていた。
土産物屋に顔を出すと、ちくわや干物などの海産物に、保命酒があった。
4酒蔵あるので、当然4種類あり、小瓶から大瓶、陶器入りのものや、ケーキ、ゼリー、飴などにアレンジされた保命酒が所狭しと並んでいた。
その内の1つを購入、ついでに「保命酒アイス」なるものを発見、コレも一緒に。

アイスは溶けてしまうので、早速開封、食べてみる。

「………」
酒粕の上品な甘さが口に広がり、意外とあっさりした感じ。
甘酒の好きなワタシにはそんな感じだが、苦手なタイチョーは、「うわ、これ酒粕!!!」という感じだ。

ちなみに、福山銘菓にも、この保命酒が使われている酒蒸饅頭や、食品品評会モンドセレクションの金賞を受賞したパウンドケーキなどがあるので、要チェック!

開封してみる。
初めて飲むのでまずは小さめの物を購入。
瓶にはレトロ(ていうか、神話っぽい?江戸時代ではない感じ…)なラベルが貼ってあり、琥珀色というには薄い感じのお酒が入っていた。
ちょうど味醂くらいか。
味醂に漬け込まれているから、そりゃ当然味醂色なんだけども。

福山に生まれ福山に育ったにもかかわらず、口にしたことが無かった保命酒。

ちなみに保命酒の酒粕は子供の頃からおやつ感覚で口にしたことがあったのだが。
確かほんのり甘くて美味しかったはず。

子供の頃のおぼろげな記憶に、期待は高まる。

ラベルを剥がし、そっとふたをねじる。
グラスにゆっくりと注ぐ。
「………」
とりあえずにおいをかいでみる。
「う、」
生薬のにおいが
…ちょっとキツイ、かも。

薄い琥珀色の、
その液体を口に含む。
「……!!!」
やはり生薬の味!!!
…が、慣れて?くると、ほんのりとしたやさしい甘さが口に広がる。
ロックがいいかもな。
氷をひとかけら。
グラスに水滴が付くくらい冷えたところを。

でもやっぱり
薬味成分が酒中に溶け込んでいるので、なんというか、あっという間に効きそうな感じがして一気に元気になったので、もう結構です、みたいな。
毎日少しずつ、続けて飲むと良いのだそうだ。
そう大量には飲めません、みたいな、ね。

―――ずっと飲んでみたかった保命酒は、
                 衝撃的な味でした。


ちなみに、お手軽に保命酒を楽しむならコレ。
先述の、保命酒の花。
福山ではスーパーでも手に入る
いわゆる酒粕だ。
そのまま食べても、甘酒にしても、軽く焼いて食べたり、和え物にも。



と、まぁ、色んな店の色んな品を飲み比べるもよし、お菓子やアイスになった保命酒を楽しむのも良し、新たな楽しみ方を見つけるのもまた良い。
地元の人間が改めて知った、地元の歴史、地元の味だった。



最近はネットでも購入できるようだが、やはり一番良いのは、鞆の浦の醸造元から直接買うのが風情があって良い。
ついでに町並みも散策して、気分を盛りあげて、疲れて帰ったところで一杯やると良いのではないだろうか…。



注意:保命酒は、お酒ですので、車を運転する前に飲んじゃ駄目ですよ。
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