■■Report #109 Report index

へなちょこエコツアー


エコツアーとは、エコロジーとツアーを合わせて作られた言葉である。
観察や体験を通して、自然の仕組みを学ぶ。
自然環境や、生き物を保護する活動に参加する。
そんな、自然にやさしく、地球と仲良くする旅行のことをエコツアーという。
今回、我々は沖縄にエコツアーに行ってきた!

2012年8月。
沖縄に到着した我々は3日、4日と連泊でこちらの宿にお世話になることに。

「なきじん海辺の宿」

今帰仁村の自然に恵まれた体験型宿泊施設だ。
修学旅行的な、合宿的な宿のイメージだと思っていただけたら。
目の前は海で、後ろは山。道は凸凹(それはもう車が跳ねるような)、大きな水溜り(いや、池?!)があって、本当にこの道で合っているのかなと不安になる頃に辿り着く自然豊かな所にある(笑)。
今回は台風で無理だったが、天候が良ければ、目の前のビーチで泳ぐことも、潜ることも出来るらしい。

夕方散策に出たが、珍しい貝やサンゴの欠片が散らばっていて、ヤドカリがそこかしこで歩き回っているきれいなビーチだ。
すぐに、ものすごい勢いの雨が降り始めたので退散したが、もっとゆっくり見たかったな~。

ここでは、シーカヤックマングローブツアーや、スノーケリング、リーフトレッキングなど様々なツアーが用意されている。
宿泊者は1000円引きという嬉しい特典付きだ。
その日の夜は、ゆんたくルームで、紙粘土のシーサー作りを体験。
へなちょこ隊の『センスのなさ』が遺憾なく発揮された出来栄えとなった。

(喋り方が)福山雅治似のスタッフさん曰く、
「不思議とシーサー作ると作った本人に似るんですよね~」と。

…なんだこのぶっさいくなシーサーは!と思っていた物体が、急に
愛らしく感じられるから不思議だわ、うふふふ。

翌朝、台風接近中で波が高く、海水浴はどうかなと思っていたのだが、「ココなら泳げる!」と宿のマスター、海のプロが言うので、午前中は海洋博公園内のエメラルドビーチへ。

駐車場無料、シャワーや更衣室も無料で、人工ビーチとは思えないきれいさ。小さい子連れのファミリーにはもってこいかも。

台風が来ているとは思えない穏やかさで、マシャ隊員も初海水浴を楽しむ。
よく考えると沖縄で海デビューって贅沢だな…。

さすがに、波の関係で砂が舞っていて透明度はあまりよくなかったけれど、それでも瀬戸内の海で泳いでる自分たちにとっては十分な透明度だ。
まさに「エメラルド」色の海で、満喫した我々はいったん宿へ…。

午後からはお待ちかね、宿で申し込んでいたスノーケルツアー!
本来は宿の車で移動するのだが、見学のマシャ隊員とワタシが居たので、別の車で着いて行く。
マシャ隊員と宿で留守番する予定だったのだが、見学に来る?と声を掛けてくださったので、ワタシも行くことに。

そこは整備されていない自然のビーチで、潮の流れが速く、岩場が続き、海水浴には向かない感じだ。

まずはスノーケルのレクチャーを受け、その後魚やサンゴについての説明を聞く。さすがエコツアー、サンゴなどの自然を傷つけないで自然の観察をすることを、子どもたちにきちんと教えてくれる。
危険な生物の説明も受けて、いよいよ海へ。

と、その時、なでしこ澤選手似のオーナー兼インストラクターのヒロさんがワタシに向かって何かを放ってくれた。
麩だ。
しかも巨大な棒状の車麩…。

「それ、上からちぎって投げたらお魚来ますから!やってみてください」
とのこと。お心遣い、痛み入ります…。

見学だけでも十分そうな面白いところだったのだが、ワタシにまで餌付け体験を…!ヒロさん、なんていい人なの!
せっかくの好意を無駄にしたくないので、(見学そっちのけで)タイドプールへ。
マリンシューズを履いてきて正解だった!


マシャ隊員を抱っこしてしゃがんで、足をぴちゃぴちゃさせてやりながら、麩をちぎって投げ込むと…

来るわ来るわ、コバルトブルーに、黒、黄色、オレンジとパープルのバイカラー、白と黒の縞々…
カラフルな魚たちが自分のすぐ足元に!

「わあ!」
思わず口に出てしまう感嘆の声。


とにかくたくさんの鮮やかな魚たち。
マシャ隊員が、怖くなってつけていた足を上げてしまう魚の量…。
しかも黒いの凶暴でめっちゃ速いし!
さらにリーフエッジまで歩いていると、ウニやキレイなウミウシ、貝やナマコやカニも見ることが出来た

潜らなくても上から色々見れるなんて!!!

一方、潜り班の方はというと、サンゴ礁の生き物を観察しながら楽しく学んでいた様子。
ヘルパーのお兄さんともすっかり打ち解けて、きゃっきゃいいながら潜っていた。

クマノミ、カクレクマノミ、コクセンスズメダイ、ルリスズメダイ、トゲチョウチョウウオなどなど、カラフルな魚を見たらしい。
水族館みたいだった!とキラキラした目で水から上がってきたよっすぃー隊員とカズ隊員。
見た見た、その青い魚、ワタシも見たよ~。


本来このまま宿に帰るのだが、別行動にしてもらい、興奮冷めやらぬ二人と一人だけニモが見れなかったタイチョーがシャワーと着替えを終え、車で移動。
行きにちらっとしか見れなかったので、帰りにフクギを見に行くのだ。


ここにはフクギの並木がある。
台風の多い沖縄ならではの景色。

古くから防風林として、家を取り囲むように植えられたフクギが連なり、約1kmの並木となっている。

径に入ると、未舗装の白い砂に柔らかな木漏れ日が映って、なんとも幻想的だ。
おとぎ話の世界というか、ジ○リの世界というか。ちょっと心ときめく空間だった。

水牛車でフク木並木の案内もしてくれるそうだ。

古い造りの民家やカフェや民宿などもあった。

色々写真を撮っていると、うっかり普通の人のうちに入ってしまいそうになるので注意が必要だ。
その後、食事を終えた我々は、宿で昨日のシーサーに色付けして完成。
よっすぃー隊員は奇抜なピンク色、カズ隊員は忠実に茶色を表現、ワタシはアクアブルーで着色。
「同じシーサーを見ながら作って、見事に出来上がりが全く違う親子ですね~」とスタッフに笑われた。


よっすぃー隊員は、今日一緒にスノーケリングした女の子とも仲良くなって、色々話を楽しんでいた。

翌朝、5日は予報通り雨。

今日でこちらの宿ともお別れ。
絵の具が乾いたシーサーを壊れないように包んでもらって、スノーケルの思い出CDを頂いて、みんなで記念撮影!
楽しかったなぁ~。また来たい!と思える宿だった。



雨(というか台風)なので屋根のある美ら海水族館へ。
人の多さに辟易としながらも、復習を兼ねて昨日海で見た魚と同じものを見つけ喜んだへなちょこ隊だった。

その後、さらに激しくなった大雨の中、同敷地内にある沖縄郷土村へ。

ここには、琉球王国時代の沖縄の村落を再現してあり、様々な家が建てられていた。時代や身分、地方によって造りや間取りが違うので面白い。


雨端(あまはじ)という、ひさしを深くすることで雨が入りにくくしてあったり、沖縄循環型家屋という家畜との共存(簡単に言うと家畜小屋はトイレ兼用という)、昔からの人々の知恵を学ぶ。

さらに、守護神を祀る神聖な場所「御嶽(ウタキ)」があって、沖縄の人々が海と森に囲まれ集落を形成してきた静かな信仰の場を見ることが出来た。

特記すべきは、大雨のせいで本当に誰もおらず、じっくり見て歩けたのが良かったことだ。びしょぬれになったけど(笑)

その後、さらに降り続く大雨の中、名護にあるゲストハウス、「海と風の宿」へ。

ゲストハウスとは、アメニティサービスなどを省いた素泊まりの宿のこと。
色々セルフサービスで、とにかく自分でやる。
さらにはドミトリーといって、相部屋(しかも大人数での)が中心で、バス・トイレも共用だったりする。

しかし安い。

なので、バックパッカーや長期滞在の人にはもってこいなのだ。

なので料金形態が笑える。
1泊○千円、一週間○千円、一ヶ月○万円…などと書いてあるのだ!


そんな宿に子連れってどうよと思ったが、宿主なりちゃんが「子どもも赤ちゃんも大歓迎よ~」と言ってくださったので、ココに決めたのだ。

よっすぃー隊員とカズ隊員には、事前にしっかりどういうところなのか言って聞かせて来たが、やはりマシャ隊員が泣くと迷惑なので幸運にも空いていた離れの個室へ。
一見普通の家だが、中も普通の家だ。
アジアンな…エキゾチックな雰囲気だけど、やっぱり和風な感じの宿だ。結局どんな風なんだ?
子どもたちは、「人んちにお泊りするみたい~」と大喜び。
いや、普通に人んちなんだってば。


宿にはなりちゃんの他に、ぐなぁという犬が居て、あと住み込みのヘルパーさんと他の宿泊客と…
ヘルパーさんというのは、三食宿付き給料なしでお手伝いをする人たちのことだ。

ゆんたくルームには、本と三線がずらっと並んでいて、せっかくなので教えて貰うことに。
タイチョーは(自称)ギタリストだけあって少しのレクチャーでそれなりに弾けるように。

マシャ隊員は、あまりのやんちゃぶりになりちゃんに「この子はうーまくぅーだな~」と言われる。
うーまくぅとは、やんちゃ、暴れん坊の意。
滞在数時間にして本質を見抜かれるとは…!
マシャ隊員は、うーまくぅの称号をゲットした。。。


夜は更け、他の宿泊客の若いお兄ちゃんと話をする。
客同士がこうして集まって話ができるのも、ゲストハウスの良いところ。
「じゃあわたしは先に休ませてもらいますね」
宿主が一番先に寝るのも良いところ…(笑)
使った食器を洗って片付けて、我々も休むことに。


ホテルとは違う雰囲気に、リラックスして過ごした子どもたちは、「犬がかわいかった」「お手伝いしたんよ~」「2段ベッドが嬉しかった~」「大人の会話を聞けたのが楽しかった」などなど、それぞれの楽しみ方をしたようだった。

こんな社会勉強も悪くない。まさに『旅育』ってやつ?
宿を後にした我々は、慶佐次(げさじ)のマングローブへ。
本島最大のマングローブである。

マングローブとは、汽水域の塩性湿地に成立する森林の事で、ここではメヒルギやヤエヤマヒルギといったヒルギの仲間が生えている。

このヒルギという植物、初めて見ると「なんじゃこりゃ」の一言である。
一本の木に、根っこがわっさわっさ伸びて、幹を支えているのだ。足元がすごく密集しているのだ。
車を「東村ふれあいヒルギ公園」に停めて、その脇の遊歩道へ。
と、思ったら「台風のため本日通行止め」の張り紙が!!!

えええええ?!ここでも台風の影響が?!

しかし遊歩道に平行して普通の道路があるのでそちらを歩いて散策することに。
道路からも見える、奇妙な形のヒルギたち。

するとその足元で何か動く生き物が。
ミナミトビハゼだ。
ぴょこぴょこ歩いていてかわいい。
さっき看板に書いてあった。
他にもノコギリガザミやベニシオマネキなどがいるらしい。
カニも居るが、これが何というカニかまではわからない。爪が大きくないからノコギリガザミかな…などと話しながら、道路からでも観察することができた。

ヒルギも全部一緒かと思ったら2種類生えていることに気付いた。花の色が違う!
亜熱帯特有の森の形態に感動したへなちょこ隊であった。
▲マングローブ林 ▲この中にミナミトビハゼとカニがいます ▲オヒルギ ▲メヒルギ

その後、行先を考えていなかった行き当たりばったりな我々は、タイチョーの思いつきで「やんばるの森」へ。
やんばるとは、山原と書き、本島北部の山や森林などの自然が多く残る地域である。
それゆえ、多くの固有種も残っており、『東洋のガラパゴス』なんて名前もついていたりする。
特に有名なのは、ヤンバルクイナだろう。
他にもヤンバルテナガコガネという虫、ヤンバルナスビなんてのもあるそうだ。北海道に行ったとき何でもエゾ○○と、エゾが着いていたのをふと思い出した…。
延々と山道を北上し軽く車酔いしながらも、車窓から見えるやんばるの森は青々(緑々?)していて美しかった。
ブナ科のイタジイという木が、もこもことしていて何だかかわいい。オーバーハングした枝が奥へ奥へと誘う。

そして、いわゆる「やんばるの森」付近になると、こんな看板が。
「とび出し注意」
いつもタヌキやらシカやらのあの看板が、ヤンバルクイナバージョンに!
思わず写真を撮っちゃったね!


そしてそのヤンバルクイナ。
飛べない鳥なので、マングースや野猫・野犬による捕食、車による轢死などにより、その数は激減、絶滅の危機に瀕しているそう。
なので道路脇には、度々注意を促す看板と、万が一傷つけた、あるいは傷ついた鳥を見つけたときの対処法と連絡先の書かれた看板、飛び出さないよう張られたネットや、道路脇に作られた通行用の緩やかな斜面など、全力で保護している様子が伺えた。
我々も注意せねば。
と、思った瞬間、前方に黒い歩く物体が!!!
出た!ヤンバルクイナー!!!

「カァー」
その物体は、カァーと一声鳴いて羽ばたいた。
「………」

またしばらく走っていると、前方に!
今度こそヤンバルクイナ!
タイチョーがゆっくり減速すると、再びその物体は、我々の前でカァーと鳴き羽ばたいて行った…。
「………」


繰り返すこと十数回。
絶対アイツ(カラス)ら、わざと道路歩いてるよね!!!(怒)
観光客の心を弄びやがって!!!
結局、ヤンバルクイナには会えないまま、たどり着いたのは展望台。

けっこうシュールなこちらの展望台、老朽化のため立ち入り禁止になっているのが残念…。

遠くに沖縄最北の辺戸(へど)岬が見えた。

沖縄に行くにあたり、観光客はやんばる方面は何もないというが、日常の忙しい時間を忘れて、五感に語りかける森や水、生き物たちの声に耳を傾けてみるのも、最高の贅沢というものだ。

本島最北の地で、自然を満喫した我々は、ふと現実に引き戻される。
今日のホテル(今日はホテル)は本島の南部であることを思い出し、休憩なしの本島縦断のドライブをし、なんとかたどり着く。
昨日までぎゅうぎゅうでくっついて寝た我々5人は、久々に各々のベッドを手に入れ、沖縄最後の夜をのびのび体を伸ばして寝た。


翌7日、最終日は、国際通り~第一牧志公設市場で、沖縄らしい食べ物を見て、買って、食べた。
これはこれで良い勉強になったようだ。
あ、エコツアー関係ない?

沖縄で、様々な経験をし、様々な人と出会い、様々な自然とふれあった5日間。
子どもたちは、図鑑では決して得られない何かを感じ、モノにしたのではないだろうか。
これを機に、環境について、さらに自然への関わり方を考えてくれたらと思う。

エコツアー関係ないついでに、空港内ターミナルビルの見学者デッキから隣の航空自衛隊那覇基地のF-15が離陸するのを見届けて、へなちょこエコツアーは幕を閉じた。
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