■■Report #100 Report index


なまらしばれてわやでしょや。

(とても寒くて大変ですね。。。



北海道の方言で、凄く寒いことを「しばれる」という。
寒い、なんてのは人の感じ方でまちまちだろうが、北海道民の感じる凄く寒いとは、広島県民のわれわれへなちょこ隊にとって、どのくらい寒いのか…。
世界の気候で言ったら、本州が「温帯」に属するのに対して、北海道は「冷帯」に属しちゃうのだという。
そんな北海道の「しばれる」を体験してみる。



夏はともかく、冬の北海道なんてスキーでしか行ったことないから、どのくらい何を着ていけばいいかがわからない。
スキーなら、外はスキーウェア、中は半袖でも大丈夫なくらい暖房が効いていた。移動は暑いくらいのバスで、アウターを着る暇もなかった。
そんな乏しい経験の中、色々調べて、ダウンのジャケットやら発熱素材の服やらを買い込む。
服は重ね着が基本、すぐに脱げるようにしておく。

冷えるのは、頭や指先からなので、手袋や帽子も準備!
足元は滑らないようにトレッキングシューズを用意。
荷物の空いたスペースにカイロを詰め込み、完璧!

そして迎えた 2010年12月24日。
クリスマスイブである。

雲が切れ飛行機の窓から下を覗くと、一面の銀世界に思わず「わぁ」と声が出る。
見渡す限り真っ白なのだ。
もちろん空港も真っ白、これってちゃんと飛行機止まるの?なんて心配してしまう。
無事着陸(当然だ)、空港ターミナルビル内はやはり暖房がしっかり効いていて暑いくらいだ。

これまた暖房が効いていて寒くない電車で、今夜の宿がある札幌市内へ。

パラパラっと雪が降っていて、いかにも見た目寒そうだったので、構内で慌ててフリースを着る。
帽子もかぶって、手袋もして…駅を出た所で「うわ!」いきなり滑るよっすぃー隊員。
交差点内で転びそうになる。
「白いところ滑る!白いところ滑る!」
横断歩道の白い塗装面は水が表面で凍っていて危険なのだ。

注意して見てみると、地元の人らしき人たちは、確かに白いところを踏んでいない。
あんなヒールでも滑らないなんて…あんなヒール…ん?ヒール?!
OL風の女の人が高いヒールの靴で歩いている、しかもミニスカートにストッキング一枚で。
へなちょこ隊なんて、デニムパンツのインナーにタイツ履いてスキー用の厚手ハイソックスにトレッキングシューズを履いているというのに…!
さらに見渡せば、制服着た女子高生は、ミニのプリーツスカートにハイソックスですよ!!!
あの、絶対領域(スカートとソックスの間)が痛々しい!!!
さらにさらに、やっぱり今日がクリスマスイブのせいかカップルがたくさんいて、彼女の方はミニスカートに、な、生足ですよ…?!
しかも首元ばーんってあいちゃってるし!!!
いくら彼とのデートで勝負服だからって!
デパートのマネキンもミニスカートはいちゃってますよ!
冬の北海道はスカートなんて売ってないと思ったのに!!!(超偏見)
ていうか、誰も帽子なんてかぶってないし!!!

感嘆符だらけの我々へなちょこ隊であった。
滑らないように集中して歩いていると寒さを忘れそうだったが、信号待ちでちゃんと思い出してしまうのだ。
…やはり北海道の人は寒くないのか…?
そんな疑問を抱きつつ、『いかにも観光客です風モコモコ』な我々は、ホテルへと向かった。


チェックインを済ませ、札幌市内を散策してみることに。
きっと夜の北海道は「しばれる」に違いない。

まずは北海道大学へ。
正門から入り、少し歩くと雪が降り出した。
たしかに寒いけど、我慢できないほどでもない。

古河記念講堂という明治時代に建てられた古い建物がレトロ感があって雰囲気が良かった。
そしてかの有名なクラーク博士の像を見に。
てっきりあの指差したオジサマがいらっしゃるのかと思ったら、ここにあるのは胸像なのね…。

エルムの森の横を通り、ポプラ並木を見に。
ちなみにエルムというのは、ニレ属の樹木のことだそうで、キャンパス内に自生している楡の森だそうだ。
広い構内を歩いてポプラ並木に着くころには、すでに真っ暗に。
人影もないポプラ並木の手前にポツンと立つ新渡戸稲造像はなんとも不気味だった(笑)


びっくりしたのは、広い構内の移動手段に、自転車を利用していることだ、雪がどっさり降っているのに。
カズ隊員がツルツル滑っている横を自転車がフツーに走っていった…。
そ、そんなもんなのか…。

大通公園では、『さっぽろホワイトイルミネーション』が開催中で、大通公園内をイルミネーションが点灯されていた。
真っ白な雪景色に、温かい光がキラキラと輝き、本当に幻想的だ。
カラフルなモニュメントもあり、写真を撮るカップルや親子のシルエットが浮き上がっている。
さらに公園内では、『ミュンヘンクリスマス市』も開かれていて、多くの人でにぎわっていた。


「き〜れ〜い〜!」
よっすぃー隊員もカズ隊員も大喜び!
寒さも忘れ、走り回る…かと思いきや、「寒い、寒い」と小さく固まり、すぐに休憩所に入りたがる。
おいおい、そりゃないよ。
とりあえず温かい飲み物で体を温め、再び散策。
クリスマス市では、色とりどりのオーナメントや、クリスマスグッズ、民芸品の屋台が並び、クリスマス気分を一層盛り上げてくれていた。やっぱり本場から来たオーナメントは芸術的だな〜。
窓辺を飾るレースや、キャンドル、ガラス細工の数々にうっとり…。



寒さもピークか、よっすぃー隊員とカズ隊員のテンションが下がってきたため、夕飯の時間。
やはりこれが北海道の寒さというものか。
普段は燃料切れを知らない二人のテンションをここまで下げるとは…!
お腹いっぱいにカニを食べた我々は、猛烈な眠気に襲われる二人に「ここで寝たら死んでしまうぞ!」なんて叱咤激励しつつ引きずりながら、なんとかタクシーを拾い、ホテルまで戻ることに。


車内は暖かく、とてもありがたかった…。
「北海道はやっぱり寒いですねぇ」
するとタクシーの運転手さんは言った。
「今日は暖かい方ですよ。昔、サッシがちゃんとしていない頃なんて、本当に寒い日っていうのは、寝てたら布団の首の回りが凍っていたものですよ」

な?!

要するに、寝ているときに吐いた息の水分が布団に落ちてそれが凍る、と。
「………」
恐ろしい所だ、北海道。



翌朝、ホテルで目覚めた我々は、カーテンを開け、驚くべきものを発見する。
サッシから溢れんばかりになみなみとたまった結露の水…こんなごっついペアサッシでもこんなになるんだ…。
広島県人には驚きの光景である…。
その後、電車に乗り旭川へ。

旭川といえば、テレビの天気予報で流れる北海道の地名としては一番寒い所ではなかろうか。
朝見た天気予報でも、「旭川は今年一番の寒さとなるでしょう」と言っていた。

もっさり着込んでカイロも貼り付け、着ぶくれ状態の我々は、そこで少し安心した。
旭川の人はスカートを履いてない。
防寒着を着て、寒そうな格好をしている。
やっぱりここはしばれるのだ。
おかげで、もっさりへなちょこ隊があまり目立たない。

日中の気温はマイナス5度。

なんというか、こう…カラっとした寒さ?(何ソレ)
転んでお尻についた付いた雪も、街路樹から落ちてきた雪も、払えばサラッと落とすことができる。
寒いといえば寒いが、耐えられないほどでもない。
が、普段寒さに慣れていない皮膚は耐えられなかったようで、次々と手や唇が割れていく…!痛いよぉ〜。
ハンドクリームとリップクリーム、持ってきてて良かった!

でも昨夜と打って変わって、よっすぃー隊員とカズ隊員のテンションがアゲアゲ↑なのも、きっと寒さのせい…。

今夜は小樽泊。
一旦札幌に戻り、札幌から小樽に向かう途中で、偶然居合わせた年配の女性に話しかけられた。
「観光ですか?どちらから?」
広島です、と答え、北海道はやっぱり寒いですねぇと言うと、その女性は笑いながら言う。
「ワタシは北海道生まれなんですけど、横浜に住んでいたことがあって、また北海道で暮らすことになったら寒くて…」
妹さんはずっと北海道に住んでいるので、厚着な彼女を笑うのだという。

札幌で見た光景を話すと、札幌は街で、建物に入ればすぐ暖かいから比較的薄着なのではないかと言っていた。
なるほど。建物から建物の距離で服装が決まるという事か…?

「楽しんでいってくださいね」
にこやかに笑うと彼女は席を立った。
そして小樽についた我々は、慌ててビニール傘を購入することとなる。
なんだこの大雪!!!

小樽はまさに大雪だった。
雪が、絵に書いたように丸く固まって落ちてくるように見える。

どっさり降ってくる雪に、よっすぃー隊員もカズ隊員も大喜び。
透明なビニール傘から上ばかり見ていて、危ないことこの上ない。
タイチョーは足元にどっさり積もった雪でキャリーバッグが転がせず、抱えて歩く羽目に。
わぁわぁきゃあきゃあ言いながら、一行はやっとホテルへ。
傘を差していても雪だるまのようになってしまい、その雪を払うのもまた楽しいらしく、ホテルの前できゃっきゃと雪を落としている。
そしてその頭にまた雪が…ってコレじゃエンドレスだよ!(怒)
ばばばっと雪を払い、ホテルの中にとりあえず二人を押し込む。
チェックインを済ませると、今日はクリスマスなので、小さなツリーをプレゼントしてくれた。

「手袋は?カイロ貼った?」
寒さ対策をしっかりして、我々は小樽運河へ向かった。


食事を終え、向かった夜の小樽運河は、人もまばらだった。(むしろ無人だった)

運河に面して軒を連ねる石造りの倉庫は、レトロ感たっぷりで、白い雪にガス灯がぼんやり浮かんでキレイ…と言いたいところだが、降り続く雪に光が乱反射して真っ白でもう何がなんだか?な状態。
顔は濡れるし、鼻水は出てくるし、寒さはロマンチックなムードもかき消すようだ。

時計の下の温度計は、マイナス7度とマイナス8度を行き来していた。
そんな中ではしゃぐ謎の観光客4名。

どっさり積もった雪に「手型」をつけて遊んでいたよっすぃー隊員に、まだまだ甘いな…と、「顔型」をつけて見せてやると、大喜びでカズ隊員も続く。
よっすぃー隊員も冷たいと言いつつ顔型を取り、3人の視線が集まったタイチョーも渋々顔型を取る羽目に。
これぞ「集合写真」。

顔を雪に突っ込んだ我々。もう「寒い」を通り越して「痛い」!!!
これが一番寒かった!
これが「しばれる」かぁ!
「痛い、痛い!」
痛いけど笑いが込み上げる。


北海道民の感じる凄く寒いとは、広島県民のわれわれへなちょこ隊にとって、どのくらい寒いのか。

答え:「笑いが込み上げるくらい痛い」

北海道の人たちはすごいわ…。
ちなみに、「しばれる」は氷点下10度くらいから使う(というか感じる)らしい。
え?じゃあマイナス8度なんてまだまだってこと?!


翌日は小樽で少し買い物。
巨大で長いつららを見ることもない温帯の我々はそれだけで「わぁ〜」という感じに。
店から店への移動だけで頭から雪で真っ白になるのも楽しくて仕方ない。
しかしこれは観光客がちょこっときて体験するからで、現地の人は毎日毎日真っ白で雪かきに雪下ろしに大変なのだろうな。


小樽駅のホームでつるっと滑りながら、へなちょこしばれ旅は幕を閉じた。
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