■■Report #77 Report index


赤レンガの煙突がいざなう酒のまち


レンガ色の煙突が、町の至る所からにょきにょきと生えている。
あれは何かと問うよっすぃー隊員に、行ってみるかと問えば、行きたーいと元気な返事。
大人の企みなど疑いもしない、無邪気な笑顔のよっすぃー隊員とカズ隊員であった。


今回は、駅の駐車場にへなちょこ号を停め、歩いて探険する事に。

駅は白壁の蔵をイメージした建物になっていて、中の店先に並ぶ土産物も、その蔵で作られる「ある物」にちなんだものが並んでいた。

駅の名前はJR西条駅。


「ある物」とは?


探険には地図が必要だ!ということで、まず西条駅前観光案内所で観光パンフレットをもらう。
現在地にマルをつけてもらい、地図を片手にいざ出発!

まず向かうのは?
地図と目の前の道を見比べて、「ここー!」駆けていくふたり。
しかし観光地とはいえ、普通に生活道路なので車の往来も意外と激しく、慌てて二人を捕まえる。

▲白牡丹酒造      ▲『冥加の水』井戸水と水飲み場
▼天保井水      
地図の文字と同じものを見つけた二人は大喜び。
これなに?これなに?
井戸の隣に水のみ場があり、自由に飲めるようになっている。
これは『冥加の水』。
例の「ある物」を作るのに使う。

ここ西条の井戸水は、龍王山の伏流水で、各蔵が井戸を持ち、また各井戸で味が違うのだそうだ。

この『冥加の水』の向かいには、『天保井水』があり、地元の人だろうか、ペットボトルに汲みに来ていた。

飲んでみる〜!と、よっすぃー隊員さっそくチャレンジ。
カズ隊員もよっすぃー隊員が飲んだのを横目で確認して(慎重派だ)飲んでみる。
「おいしい〜!」
そうかそうか。

『冥加の水』は、白牡丹酒造の仕込み水として、300年以上昔から使われてきたそうだ。
『天保井水』は、西条鶴醸造のもの。
―――白牡丹酒造?
そう、実は答えは建物の看板に書いてある。
そこら中にあるレンガの煙突にもお酒の銘柄がでかでかと書かれているのだが、何分まだ漢字が読めないもので。
「ある物」とはお酒。

西条はお酒の町。
灘、伏見と共に、日本三大銘醸地(また三大…)なのだ。

駅周辺には、8銘柄の酒造があり、白壁に赤レンガの煙突の町並みが続く。
江戸時代には四日市という宿場町だっだそうで、商家や酒蔵の並ぶ酒造通りは当時の面影を残す。
各酒造は、見学出来るようになっていて、利き酒が出来るところもある。
各酒造の自慢の酒を飲み比べ、自分好みの酒を探せるのだ。



ちなみに、へなちょこ隊が行った日は、先ほどの白牡丹酒造が休みであった。
しかも時間が時間で回りきれず、結局中に入ったのは、亀齢酒造と、賀茂鶴だけであった。
▲沓石

さてその賀茂鶴に向かう途中。

「あ!これ!」
地図に書かれた台形の石。
見つけた!
実物はこんな形。

これは何でしょう?

正解は、沓石(くついし)。
この上に醸造タンクを置くのだそう。

絵で見て想像していたのより大きかった様で、一生懸命見比べるカズ隊員であった。


そして江戸時代の宿場町、四日市の御茶屋(本陣)跡、御門横の径を入れば賀茂鶴酒造。
見事な白壁、なまこ壁が続き、我々を迎えてくれる。

中庭には、酒を作るのに使っていたという巨大な樽、そして、精米した米を蒸す巨大な釜があった。
人と比べるとこのくらい大きい。
比較用に置いてある、標準サイズの釜がかわいい。

菰樽も積んであった。
ここの立派な煙突もさすがに現在は使われていないようだ。



建物の一部が開放されていて、入ると、お酒のむせ返るような甘い匂い。
中には酒を作るのに使っていた道具、酒を作るのに使う精米された米、麹などが展示され、スクリーンには、お酒が出来るまでの映像が映し出されていた。
そこでやっと、あの煙突が何で、何を作っているかを理解した無邪気な二人は、「私飲めないじゃーん!」「大人ばっかりずーるーいー」と悪態をつく。
ふははは、今ごろ気付いても遅いのだ〜。
今日は探険と称して貴様らを歩かせて、本当は酒蔵に酒を漁りに来たのだ〜。
もうすっかり悪役だ。

すると何処からともなく、店の人が現れ、よっすぃー隊員とカズ隊員に小さなコップを渡し、デキャンタに入った液体を勧めている。

いいいいいいいいけません!

その人たち未成年者ですから!
あと14年と16年早いです!

慌てて駆け寄ると、ニコニコ笑いながら2杯目を注いでいる。
「『仕込み水』といってね、これでお酒を作るんだよ〜」
「お水?おいしい!」
よっすぃー隊員は2杯目を飲んでいた。
「そうそう、おいしいお水においしいお米ができて、おいしいお米がおいしいお酒に…」
説明してやると、ふう〜んと神妙な顔つきで頷いて聞いている。
「お嬢ちゃん、じゃあ座ってこれ見てごらん」
スクリーンの映像を大人しく鑑賞する二人。
子供向けな説明が受けたのか真剣に見ている。
「お母さん、お車じゃなかったら今の間にどうぞ、試飲してみて」
代官の(失礼!)甘い誘惑。



先ほどの甘い匂いの主は、この試飲コーナー。
ずらりと瓶が並び、小さなコップが用意されている。
自分で注いで、色々飲んで、お気に入りの一本が決まったら買ってね、という事だ。
そちも悪よのう…なんて(笑)

タイチョーは運転手だ。
 →だから飲めない。
よっすぃー隊員とカズ隊員は未成年者だ。
 →だから飲めない。
仕方ない、ここは隊を代表して私が!!!

横目でチラとタイチョーを伺う。
「…ええよ、飲んだら。ついでに買っても」
いやっほーい。
諦め顔のタイチョーを余所に早速、端から十数種類あるのを順番に試していく。

  おっとっと…ヤバイ、注ぎ過ぎたか。まぁいいや。
  ん、おいしい!次はこれ…
  あ、さっきのより甘いなぁ、これ好きかも。
  うーん、こっちは甘過ぎかなぁ。濁りも捨てがたいなぁ。


…なーんて言いつつ、勝手スタンディングバー状態で、あっという間にほろ酔い気分に。

これ!これに決めた!
お気に入りの一本は、ここでしか売っていないという『加茂鶴 蔵出し原酒』。
水色のキレイな色の瓶だ。
「さすが〜奥さん、これここでしか手に入らなくてね、一番人気なんですよ」
(それみんなに言ってるでしょ…)

お気に入りの一本を包んでもらい店を後にした。





赤レンガの煙突が立ち並ぶ、酒都、西条。
煙突を頼りに歴史ある酒蔵の町を探険してみてはいかがだろう。
Page top  
Report index