■■Report #49 Report index



春は別れの季節である。
学生は進級・進学。
社会人は、期が変わり新たな経営目標と共に配置転換があったりと…
色々なところで別れのドラマがある。

鉄道の世界でも例外ではない。
今回はワタクシ、タイチョーことナベがリポートをお送りします。


平成20年3月15日 ダイヤ改正―――

TVのニュースでも良く流れていた、ブルートレインの廃止。
昔は走るホテルと比喩され一目置かれていた存在だが、現在では廃止の一途を辿るものが多い。
理由として、
・航空機の格安運賃
・格安ホテル
・高速道路の充実による夜行高速バスの増加
などがある。
また、皮肉にも同じ鉄道である新幹線の高速化も大きな理由らしい。

ワタクシが小学生のころは、上り下り合わせて10列車程が停車していたが、
今や3列車のみ…。
その内の2列車が今日(平成20年3月14日)の運行で廃止となる。
廃止となる列車は、なは・あかつき号(列車の詳細は検索してください)。
ライト鉄のワタクシとして、『ラストランは押さえておかないと!』ということで
ミキ隊員、よっすぃー隊員、カズ隊員を引き連れ福山駅へ向かった。

(よっすぃー隊員、カズ隊員にして見れは、眠いのにいい迷惑である)

▲この表示も今日が最後の表示。本来あかつきは、長崎行きだが、ダイヤ改正の関係で最終列車は鳥栖止まり。
それにしても、行き先が、熊本・鳥栖というのが、スケールがでかくてイイ!


23:30 4番線―――
いつもは閑散としている夜のホームだが今日は違う。
同じ事を考えている人間は他にも居るらしい。
始発駅、終着駅でもないこんな田舎駅でも、多いのか少ないのかわからんが、同業者が10数名ほど
下りなは・あかつき号の到着を待っている。

ちびっ子は我々だけかと思ったけど、他にも数名のちびっ子が居たので、ちょっと安心した(笑)

脚立に本格一眼な人や、コンパクトカメラ、レンズつきフィルム片手の小学生。
ビデオカメラ、携帯カメラなど、みんな思い思いのアイテムで、最後のなは・あかつき号を記録しようとしている。

警察官も数名いた!鉄の警官も居たのか!?と思ったが、コレは混乱を危惧したJR側が要請した警察官だった。



なんでも都会の方では、鉄同士や、駅員とのトラブルが結構多いとの事
うん〜、マナー守って鉄しましょう。


余談だが、ワタシには、鉄友?がいる。
といっても、僅かな情報交換をするのみである。
「今日、福ちゃん(仮名)居ったりしてな〜」
「まさか〜、だって今朝まで夜勤だったんでしょー」
そういいつつ、ホームに上がると。
「おお!ナベじゃん!!!」
…やっぱ居た…。
恐るべし!福ちゃん。




定刻時間が近づき、今か今かと思っていたら、
『なは・あかつき号は、只今10分遅れで運行しております』

と放送が
まぁ、京都が始発駅なので10分遅れ位は、ありうること。
福山駅でコレだけ人が集まっているのだから、京都、大阪等の京阪神の停車駅にもかなりの人が集まっていると思われ、それなりに遅れているのは察せられる。

到着が遅れているのでホームにて、なは・あかつき号関連のモノを探してみる。

福山駅の時刻表
全て写ってないが、福山駅到着最終の時刻。
これも明日からは消えてしまう。
もう、23:50発のなは・あかつき号は無くなる




ホームに書かれていた表示物。

明日からは必要の無い表示とばかりに、
チョークで×印が描かれていた。
色々と写真を撮っていると、入線の放送が!
慌てて、先頭車の停車位置まで戻り、なは・あかつき号を迎える。
ホームの端から、反対側を凝視。
来た!いつもより明るいホームの照明よりもさらに明るいヘッドライトが見えた!

ホームの至る所で、最後のなは・あかつき号をカメラに収めている。



EF66はヘッドライトが車体の中程にあるため、
こんな感じて、ヘッドマーク、カマ番号が良く見えない。
走行中のフラッシュ撮影は、運転に影響があるため、余りオススメできないので、コンパクトデジカメでは、これが限界…。

さすがにこれでは記念にも、記録にもならないので、停車後運転士に『フラッシュ炊きますよ』的アピールをして撮影した。


下りなは・あかつき号の最後を牽引したのは、EF66 47。
数々のブルートレインを牽引してきたカマ。

ブルトレ牽引機はJR貨物機の更新色のEF66と違い、国鉄色なので直流機らしくてイイ!
直流電気機関車はこの色じゃないとね〜。

▲EF66 47号機




そしていよいよ、出発のときが来た。
もう2度とこのなは・あかつき号が、ここに停車し、ここから発車することはない。

駅員が無言で線まで下がるよう指示、車掌が前方、そして後方の安全確認を行うと、静かにドアが閉まった。

ガタン…

ひとつ大きな音がすると、列車が動き出した。
「ほら、バイバイだよ」
ミキ隊員が促すと、よっすぃー隊員とカズ隊員が手を振った。

(さすがにここまで小さくはなかったが)自分も小さな頃から見続けていた、憧れの列車が、今日、終わりを迎えようとしている。
淋しいというより、これも時代の流れなのかなという様な、むしろ諦めに似た感情が沸いてくる。
このまま少ない客を乗せ走り続けるより、多くのファンに惜しまれつつ去る方が、皆の印象に残るだろうか。
ただ1つ良かったのは、このラストランを(会社をサボって)見届けられたこと。

動き出した列車は、思ったよりもあっけなく、最後の時を迎えた。
列車はどんどんスピードを増し、見送る我々を残し、テールランプの赤い光が、ホームエンドに消えていった。

「いっちゃったねぇ」
何かを感じ取ったのか、淋しそうなよっすぃー隊員に、眠そうな目をこするカズ隊員。
最後の列車にバイバイしたことは、憶えておいて欲しいと願いながら…

左 / なは号
上段 / レガートシート
下段 / B寝台ソロ



そのときだった。
ダダダダダダダダ…
一斉に走り出す鉄共。
さよならの余韻に浸る間もなく、対向ホームには、同じくブルートレイン、富士・はやぶさ号が入線してきた。
さっきまでソコにいた人たちが、もう向こうのホームに(笑)
カメラを構えて、撮っている。
「ま、そういうもんなんよ」
ついでに富士・はやぶさも撮っちゃおうという…。
昔からこのスジは、あかつきが出発する→数分遅れで九州方面からの富士号が入線してくる。
あっちも見たいけど、コッチも見たい、みたいな。

そんな子供の頃の自分を思い出し、思わず笑ってしまった。
(相手はいい大人なのだが)
明日からそれもない…ショボーン。
なは・あかつき無き今、九州ブルトレは、この富士・はやぶさ号のみとなってしまった。


…そしてその後。
我々のさよならしたなは・あかつき号は、比較的きれいだった事から、タイ国鉄へ無償譲渡されたそうだ。
海を渡り、タイで第2の人生を送るのだ。
頑張って欲しいものだ。

▲オマケの富士号。昔は単独編成だったが、現在ははやぶさ号との併合運行である。
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