■■Report #43 Report index



――――
やっぱり決行!



靴がない。
気付いたのは小谷SA。
時間は6時。
引き返すか、否か。
葛藤の中、へなちょこ4号は進み続けた。

朝、寝ていたカズ隊員を抱いてチャイルドシートに乗せ、目を覚ましたよっすぃ隊員と4号に乗り込むと、静かに走り出した。
カメラにお茶におやつに…昨夜いつもどおりに荷物を準備して、忘れ物はないハズだった。
「やってもうた…」
トイレ休憩に寄ったSAで、タイチョーがつぶやく。
「なに、どうしたん?」
「靴がない」
「は?よう探してよ〜(よく探してよ)」
「いや、ない。乗せた記憶がない。」
イヤ、自信満々に答えられても。
「取りに帰る?でもとりあえず、現地へ向かう…?」
恨めしげにカズ隊員の足を眺めていたが、後者を選んだ我々へなちょこ隊は現地に向け車を進めた。
「ハイ、今現着です〜。もー、ホントご心配お掛けしてすみません〜」
電話を切る。
急いで会場へ向かう。


8時に岩国入りした我々は、どこかに靴が売ってないか探す。
しかし24時間営業の店など付近にはなく、9時の開店を待ち靴を購入、駐車場へ向かう。が、進まないテールランプの行列の最後尾を確認したタイチョーは、駅前の駐車場に4号を停め、臨時バスで現地入りするというpark-and-ride方式に作戦を切り替えた。

それが功を奏し、なんとか祝賀飛行の一部には間に合いそうだ。
バスは、海上自衛隊岩国航空基地のコンストラクターゲートで一時停止すると、荷物検査を待つ自家用車の長蛇の列をすい、と抜け、基地内に入っていった。
これ、車で最後尾に並んでたら、入れるの12時だな。
タイチョーの作戦勝ちだ
バスを降りて、まず電話。
そして会場へ急いだのだった。

そう、今日は海上自衛隊岩国航空基地祭なのである。
昨年は雨で(Report#35参照)、今年は天気予報が晴れを予報していたので、気合十分だったのに、靴を忘れ、痛いスタートとなってしまった。
何はともあれ、会場に…。
会場へ行くと、すでに祝賀飛行は始まっていた。
頭上を、
MH−53E通過して行った。
振り仰ぎ見送ると、すぐに次のP−3C哨戒機が、機体を大きく揺らしながら、パスして行く。
ブウーン、というプロペラ独特の低い唸りが心地よい。
「お髭がある〜」
というよっすぃー隊員。


…髭…。
 

▲P−3C
子供の目線は楽しい事でいっぱいである。
彼女にかかれば、US−1A改の、バブルキャノピーも、「あ、目があるぅ〜」なのだ。
他にも、「お口が開いてる」とか、「イルカさん」とか、「カモメ」とか、空には色々いるらしい。
4歳なりに楽しんで?いるようだ。


祝賀飛行を終えると、会場では、国旗に敬礼やら、偉そうな人(階級が高く偉いであろうと思われる人)のご挨拶やら、一日最高指令官の任命やら執り行われていた。


白い制服がずらっと並ぶ姿は、まさに 圧巻だ。

奥の方に米兵や、陸自、海自の偉そうな(偉いと思われ…以下略)人
もいる。
色々な制服…ハァハァ。

そしていよいよドリル隊の入場だ。
『ドリル見てます』
とメールを送信。
とりあえず、ドリル、ドリル…。

そしてドリル隊入場。
足並み揃えて、航空学生たちが歩いてくる。


栄誉礼の時のラッパがちょっとずれていた件は別として(笑)、よく揃ってて完璧!という感じ。
昨年のより上手かったなぁ。
それより、毎年演技が違う事にびっくり。
あ、そうなんだ、へぇ〜。


ファンシードリルが終わり、会場の皆がバラバラと散り始める。
そこでやっと探し始める。(いや、遅れた挙句スミマセンみたいな…反省しろ自分!)
「お、いたいた!」
「おはようございます〜!も、すみませんー、靴忘れちゃって〜」
「靴買った?」
「買いましたー」
…なんて話をしている相手は。
本日めでたく?勝手入隊のH津隊員と、S木隊員、KENT隊員の3名である。
いわゆる現地集合である。


息の合った演技。
とても何キロもある銃を持っているとは思えない。

思えば職場の飲み会での事。
「それ何でヘリコプターの画像なの?」
携帯の待ち受けを横から覗き込んだ一人が尋ねる。
「ええ〜とですねぇ…」
ちょっと好きなんですよね、と適当に答え話題を変えようとすると、S木隊員が
「俺もヘリの画像もっとるよ〜」
と、自分の携帯を見せてくれたのがきっかけ。
「あ、US−1Aだ…」
「え?そうなん?!何ソレ?」
…しまった。
ついうっかり。

そして翌日、「きいたよ…ふふ」と隣に座るはH津隊員。
「え?え?」
気付けば9月9日、現地で!!!という約束になっていた。
類は友を呼んでしまうようだ。



と言うことで、合流も無事(?)出来、ちょっと見て歩こうかと、一緒に歩き出す。
「あ、そうそう、ちゃんと取っておきましたよ〜」
と、H津隊員が渡してくれたものは…。
USー1Aのシミュレーターの体験が出来るチケットだ。
我々を待つ間に、並んで予約してくれたのだ。
「すすすすみません!わー!!!嬉しーっ!!!」
いつも子連れで諦めていただけに、感動!
「いや、靴を忘れたブルーをね、吹き飛ばす何かが必要でしょ」
…なんていい人なの!H津隊員!
いやもうそんな事すっかり忘れてピンクですけど?!
思いがけないサプライズを素直に受け取り、喜ぶワタシだった。


体験飛行に向けタキシングするUS-1A音に、足が自然にエプロンに向かう。
お、いるいる。

RESCUE SEAGULL――――US−1Aは、水陸両用の救難飛行艇である。
洋上での発着が可能なことから、飛行場の無い離島へもアクセスでき、洋上救難や、島の患者輸送などを行っている。
海も陸もOKな上に、救助も出来ちゃうのだ。
そして岩国航空基地祭では、体験飛行をさせてくれるのである。
ちなみに、H津隊員が事前に送ってくれた体験飛行応募のハガキは全部当たらず、無念の帰還となったが、まぁ仕方ない。

掃海・輸送ヘリMH-53Eが、ススが付いたように灰色なのが、いつも気になるのだが聞く術が無く、何であんな色なんだろうね、まさかわざと?とか、実はああいう迷彩?とか、馬鹿なことをつぶやきつつ眺める。
(ワタシ個人的には、彼の白い手袋がかなり萌えなんですが、わかりませんか、そうですか)
(あの手の動きが堪らんのですが、そうですか)
しばらく眺めたあと、よっすぃー隊員が、恒例の『カキ氷』をねだり始めたので、とりあえず食べさせることに。
この方の機嫌を損ねたら次から行けなくなるからな。。。

そうこうしていたら、シミュレーター体験の時間が来てしまった!

わぁ…ドキドキするなぁ。
途中から別行動だったH津隊と再び合流、その時を待つ…。

▲氷を無心で貪る。
今日もピーチ味

受付を済ませ、順番を待つ。
前の人が乗っているのを見たよっすぃー隊員が、
「怖い…」と一瞬ひるんだが、何とかなだめる。


シミュレーターとは、操縦訓練のため、実際の条件を再現できるようにしたもので、決してマニア向けのアトラクションではない。
実際に操縦は出来ないが、デモフライトを体験させてくれるのだ。
操縦桿を
KENT隊員が握り、その後ろに張り付くようにして覗き込む。
実際に動き出すと、景色が流れて行く速度に合わせて、ちゃんと重力が掛かり、飛行機嫌いのワタシには十分気持ち悪い代物だった。
「わ〜わ〜飛んだ!」
決して飛んでいないのだが。
十分飛んだ気になれた。
「着水します。少し揺れますよ」
後ろで係りの人が教えてくれる。
ゴゴゴゴゴ、という音と共に、(着水経験など無いのだが)着水したような感覚を感じ取る。
しばらく波間に漂った後、再び飛び上がる。
すごくリアルだ。
これで何度も訓練して、実機に乗るんだろうなぁ。
塗装の剥げた操縦桿が物語る。


「面白かったねぇ」
シミュレーター初体験に満足し、H津隊員によくよくお礼を言う。
「操縦させてくれるんかと思ったのに」とは、タイチョーの言葉。
マニア向けアトラクションじゃないからね、仕方ないよ…。
その後は、まったりと、体験飛行のエンジン音を聞きつつ、地上展示を見て歩く。
「あ、カエル〜!ティーフォー!」
カズ隊員の指差す方向には、新田原基地のT−4が。
え、わかるんですか…。
ちっちゃいオタクがここにいますよ(汗;)
「いいね〜、カエルだねー」
T−4の前で写真を撮っていると、一人の自衛官が、話しかけてくれた。

     「こんにちは!」
カズ隊員も挨拶。
「そっか、カエル好きかぁ〜」
カズ隊員をダシに、色々話していると、彼はF−4のパイロットだという事が判明。
わー、かっこいい〜
vvv
一緒に写真をお願いすると、よっすぃー隊員とカズ隊員を両手で抱っこしてくれた。
わー
vvv
「そっか、カエル好きかぁ〜」
そう言って彼はパッチを剥がし、カズ隊員の手に握らせてくれた。大事そうに両手で持ってお礼を述べるカズ隊員だった。

その後も、米兵が写真を撮ってくれたり、H津隊員が並んでとってくれたMH-53Eのシミュレーター体験をしたり、さらにそこで三菱重工の方にシミレーターの仕組を説明してもらったり(三菱重工製なのだ)、よっすぃー隊員はミニ新幹線にも乗り、時を忘れ楽しんだ。
気付けば片づけが始まり、ロープを張った自衛官がじりじりと追い出しに掛かっていた。
「もうこんな時間か〜」
『H津班、先に帰ります』のメールを受け、わがへなちょこ小隊も引き上げることに。
天気にも恵まれ、H津隊員のおかげでシミュレータ体験も出来、昨年の雨を忘れさせる充実した一日となった。



よーっし!来年こそは、本物の「カモメ」に乗るぞー!!!(当てるぞー!!!)

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