■■Report #08 Report index

遠征!北へ向かう!


3月4日 
大きな荷物を肩に、札幌千歳空港に立つ2人。 
「大丈夫?」 
どんよりとしたミキ隊員に、ナベ隊長が話しかける。 
「これがなければ北海道もいいのになぁ…」 
何度乗っても飛行機は好きになれないミキ隊員であった。 

バスでホテルに移動する。 
いつもならキャンプ派の2人だが、やはり北の地で3月にキャンプする勇気はなく、仕方なくホテルに泊まることにした。 
ここは「ルスツリゾート」、北海道は虻田郡留寿都村にあるオールシーズン遊べるという大型レジャー施設である。 
さて、今回われわれビンボー「へなちょこ隊」が、こんなリゾート地に足を踏み入れたのはワケがある。 

ミキ隊員の住む中国地方では、早くもポカポカ陽気で、まさに「春」なのだが、天気予報では『北海道は、日中は気温が上がり、-2℃前後でしょう』なんていっている。 
-2℃?気温が上がって? 
…ま、真冬じゃないか! 
縦長の日本列島、気候の差があるのは知っているが、本当なのだろうか? 
長いといっても同じ日本の中でそんなに気候が違うのか? 
ニュースの映像では、道路の端に雪が映っている。 
こっちでは菜の花が咲いているというのに。 
我々はそれを確かめるべく、北海道へ発つことにした。 
「日本列島を肌で感じる、へなちょこ隊in北海道」! 
メンバーはナベ隊長とミキ隊員の2人。 
副隊長はスキーができないのでお留守番だ。 

「さ、ささささ寒ぅ〜!」 
北はやはり寒かった! 
今朝出発した時はよく晴れて、コートを脱ぐ位暖かかったのに! 
早くも結論が出てしまった。 
こんなに早く目的を達成してしまうとは! 
しかし、飛行機のチケットが、3月7日の分しかないので、7日までは帰れない。 
「仕方ないな〜」 
7日まで、ここに泊まることにするか…、な?んて、イヤイヤそうに、ニヤニヤする2人。 
しかし探険には、目的というものが大事だ。 
さて困った。
…ということで急遽、「ホテルに潜入、へなちょこ隊in北海道」に変更! 
これでいいのだ! 

「タイチョー、敵地に潜入します!」 
潜入、すなわちチェックインを済ます。ホテルマンが、荷物を運んでくれる。 
「(小声で)タタタタ、タイチョー!スゴイものを発見いたしました!」 
なんとここのホテルマン、揃って顔下半分が黒い!!! 
きちんとした格好をしているので、余計に不自然だ。 
みんな「これでもか!」という位スキー焼けしている。 
怪し過ぎる…。 
「敵は手強いぞ、気をつけろ!」 
こんな人達が当たり前のようにいるなんて、ホテルとは侮れないところだ! 
しかもこのホテルには、熊がいるのだ。 
以前来た時、ミキ隊員は熊に遭遇した。 
「油断するんじゃないぞ!」 
…って書いたら、一体どんなホテルなんだ。 
実は前回、ホテルの本館の前に熊の剥製を見つけた。 
巨大なヒグマだ。 
まだいるのだろうか。 
それは後日確認することにする。 
 

せっかくスキーシーズンに北海道へやってきたのだ、スキーでもするか…などといいつつ、ちゃんと板もホテルに送っていたりする。 
広いゲレンデでは何が起きるかわからない、そうだ、雪上訓練だ! 
どんな時も訓練が大事だ! 
ということで、さっそく着替えてゲレンデへ。 
雪が降りだし、顔が冷たい。 
しかし気温が高いのか、不思議と寒さは感じられなかった。 
日本の東にあるだけあって、北海道の夜ははやく、あっという間に暗くなってしまう。 
1本滑って降りた頃には、薄暗かった空がもう真っ暗になっていた。 
ナイターのオレンジ色の照明が、はっきりと影をつくっている。 
ホテルの人が、『さっきまで、朝からずっと降っていたんですよ』と言っていたが、そのおかげで新雪が少し積もっており、滑りやすい。 
板の下で、雪がキュ、キュとないている。 
この感覚は、天然雪ならでは、である。 
「最高〜!!!」 
前回の探険でも同じ事を叫んだ気がするが、その「最高」とこの「最高」はレベルが違う。 
「さいこー!」ではなく、「さぁいっこぉぉぉ〜う!!!」と読んでいただきたい。 
その位違った。 
やっぱり来てよかったなぁ、としみじみ感じる。 
プーすけ隊員も(出発の前日に)誘ったのだが断られた。 
来れば良かったのにィ…ニヤリ、と笑いたくなる雪質だ。 
イヤイヤ、これは訓練だ、喜んでいる場合ではないのだ! 
「今日はもうあがろうか」とナベ隊長。
今日は初日、ということもありミキ隊員の『乗り物疲れ』もあるので、早めにあがることにする。 
ナイターを最後まで滑るとご飯にありつけない。 
たくさんあるお店の中から選べるが、やはり営業時間というものがある。 
隊員達は、いつもマイペースなビンボー旅ばかりしているので、時間制限に慣れていない。 
温泉を探し歩くこともなく、自炊することもなく、テントを張る必要もなく、シュラフで寝ることもなく…。 
楽といえば楽なのだが。 
まあ、明日、明後日と丸々2日あるのだ。そう焦って滑ることもない。 
「今日、何食べる?」 
スキーの先を、ホテルの方に向ける。 
ホテルの明かりが、なんだか温かい…。 

3月5日
翌朝。 
窓からみた空は少し曇っていた。 
今日はイゾラ方面に出撃する。 
ルスツには、3つの山がある。 
昨日滑ったのはWest Mt.と呼ばれ、標高715mの唯一のナイター営業のある場所だ。 
そして今日行こうとしているのは、East Mtと、.Mt.Isora(イゾラ)と呼ばれる山で、それぞれ標高868m、標高994m。 
これらの2つの山は、ホテルのあるWest側とは道路を挟んで離れており、ゴンドラで移動することになっている。 
ゴンドラの下は、今は雪に覆われているがゴルフ場があるらしい。 
West Mt側には遊園地もあり、冬は止まっている遊具の間を滑る箇所もあって不思議な空間だ。 
なるほど、それでオールシーズン遊べる施設なのねと納得。 
やはり、ここまで来たからには、全山制覇せねばなるまい! 

板を脱ぎ、雪を払ってゴンドラへ乗りこむ。 
イゾラ山頂からは、天気が良ければ羊蹄山や洞爺湖が見える。 
今日は曇っているので、ちょっと無理そうだ。 
とりあえず上へ上へと乗り継ぎ、山頂を目指す。 
ゴンドラをおりるとさすがに少し寒く、小さな雪も降っていた。 
山頂から滑り出す。初級コースと上級コースが入り混じっているので、色々行きたいミキ隊員には滑りやすいコース設定だ。 
何本か滑って、再び山頂に着いた頃には、陽がのぼり暖かくなったせいか雪も止んでいた。 
雪は止んだが、遠くの方はまだ霞んでいて、よく見えない。 
羊蹄山らしき山も確認できたが、裾野が少し見えるだけで、上の方は雲が厚く取り巻いており、全体を見ることはできなかった。 
かわりに、その反対方向に、洞爺湖と昭和新山がみえた。 
証拠写真を撮ったが、ちょっとわかりづらいかもしれない。 

緩斜面になったところで、ちょっと休憩の為ストップ。片栗粉を踏んだようなキュ、キュ、という音を足元に感じながら、歩いて白樺の木の元に座る。 
雪玉を作って投げてやろうと休憩中のナベ隊長の後ろでこっそり試みるが、乾いた粉雪は握れずグローブの間からこぼれ落ちる。 
木の近くを走りまわった小さな足跡も、深く埋もれ何の動物かも分らない。 
パウダースノー万歳!である。 

軽く休憩を取り、再び滑ろうという頃には、もう3時を回っており、そろそろWestに戻らなければリフトが止まってしまう事に気付く。 
広いので、時間が近づくと端から徐々にコースを閉鎖し、リフトを止めていくのだ。 
いくら訓練という名目でも、さすがに取り残されるのはゴメンだ。 
取り残されるなんて事は絶対ないだろうが、最後までいるとWest側に戻るゴンドラが大渋滞になってしまう。 
早めに戻っておこうと、ゴンドラに向かった。 
時間も忘れて滑っていた。 

ゴンドラにのって、West側に戻った時に、ミキ隊員はあるモノに気付く。 
「タタタタタ、タイチョ〜!」 
ソレは5メートルはあろうかという大きさで、ゲレンデの端に立っていた。 
カワイイ顔をしているが、得体の知れない物体である。 
行く時もそこを通った筈なのだが、何故か気付かなかった。 
なぜ、こんなにデカイものに気付かなかったのか不思議だ。 
「きっと、イゾラにいる間に…」 
「行く時もいました!」と、隊長の間髪いれない突っ込み。 
まったく記憶にない。 
かくしてその正体は…巨大な雪だるま! 
 
人物と比較してみるとその大きさがわかる。 
しかもこの雪だるま、恐る恐る近づくと、なんと喋るではないか! 
『こんにちは?!私の名前はアイ。ルスツって楽しいよね?!みんな、楽しんで行ってね』 
なかなか気さくな雪だるまだ。 
少し安心していると、今度は『一緒に写真を撮ろうよ!』と誘ってきた。 
「じゃ、じゃあ…」 
なんて、思わず一緒に撮ってしまった。 

探険には、スキー訓練以外も必要である。 
幸いにも、ここルスツでは、いろんな体験ができるようになっている。 
探険時に起こりうる様々なケースを想定して、その中の一つ、『チュービング』にチャレンジ! 
チュービングパークは、ちょっとした斜面をネットで仕切ってあって、ソリ遊び専用ゲレンデとなっている。 
ソリとチューブがあり、ミキ隊員はチューブをセレクト。 
これは斜面をチューブ(でっかい浮き輪…釣りの時に使うフローターそっくり)で滑りおりるというもので、実は以前からやってみたかったのだ。 
ミキ隊員、子供の頃にはスキー場に行った事がなく、『そり遊び』というモノをした経験がない。 
イイ大人が、そこいらのちびっこパークでそり遊びをするわけにもいかず、永遠の憧れで終わってしまうのかとため息をついていたが、こんなにステキなモノがあったのだ! 
これなら恥ずかしくない!なぜなら「大人料金」というものがあるからだ。 
大人もやっていいのだ! 

そんな事を考えつつ、チューブをもって歩く。 
何がつらいって、歩いてもって上がらないといけないことだ。 
みんなソリをしていて、チューブは誰もいなかったので、ミキ隊員は貸切状態で遊べた。 
 
引きずって持って上がり、うつ伏せ、あお向け等好きな格好で滑り降りる。ミキ隊員はうつ伏せが気に入り、何本もそれで滑った。 
ナベ隊長はスリルに欠けたようだが、乗り物嫌いなミキ隊員には丁度良いスピードで、ものすごく楽しかった。 
子供にはスリリングで良いのではないかと思うが、チューブを持って斜面を上がるという行為が、容赦なく体力を奪うので、そう何回も出来そうにない。 
「暗くなるまでやってもいいですよ」 
と係の方が言ってくれたが、30分もしないうちに疲れてしまった。 
「ありがとうございました?」 
チューブを返しに行き、もういいの?と尋ねる係の人に、疲れちゃいました?と答える。 
はっ、いけない! 
ミキ隊員も、無邪気に遊んでいる場合じゃないではないか! 
これはスキーがなくても、斜面を上手に滑り降りる訓練だったのに…。 
かなり苦しいな。 
 

今日は思いっきり遊んだ、もとい、訓練をしたのでヘトヘトになってしまい、ナイターも滑る気にならず、Westに戻ってからは2、3本滑っただけで早々に引き上げた。 
夕食も早く済ませたので、折角なので空いた時間を利用して、夕食後、敵地であるホテル内を探険。 
  
ホテル内にはカルーセルがあって、からくり時計があったり、お菓子屋や雑貨店が並び、まさに「カワイイ」つくりになっている。 
ホテルの外は木々がライトアップしてあって、氷像もあったりした。 
なるほど、こうやって女性のハートをギュっと掴んでいるわけだな。 
敵もなかなかやるな! 
ミキ隊員は10のダメージを受けた! 
「か〜わ〜い〜い〜」←ミキ隊員。 
アイちゃんは写真を撮ろうと近づくと、夜にも関わらず大きな声で「こんにちは!私の名前はアイ!」と自己紹介してくれた。センサー式なのだろう。びっくりした。なかなか非常識なヤツだ。 

「タイチョー、熊が見当たりません!」 
気になっていた本館の入り口の熊はいなくなっていた。 
2年前は確かにいたのだが。 
「ヤツめ、『へなちょこ隊』がやってくると知って怖気づいたな…」 
そういうことにしておこう。

3月6日
今日もくもり。 
 
昨夜は雪が降らなかったので、少しとけてしまったようだ。ホテルの屋根についていた雪が少しなくなっていた。 
ゲレンデにでると、やはり昨日のような雪はなくなっていたが、それでも充分過ぎるほど柔らかい。 
やはり今日もイゾラ方面へ向かう。 
こちらの方が標高が高いせいか、それとも人が少ないせいか、雪質は良く滑りやすい。 

途中から降り出した雪が、真っ白にして視界を遮られたので、スピードを落さざるを得ない。 
今日は、休憩を取りながら、わざわざ初級コースや迂回路を探しながら滑る。 
実は2人とも、連日のスキーで疲れていた(笑)。 
雪も止み、視界も回復したがそのままのんびり滑る。 
林間のコースは次々と景色が変わるので、2人を励ましててくれた。 
時々、コブコブのできた上級コースにいってみたりもしたが、昨日より本数はかなり減っていた。 
「疲れたよぉ〜」 
泣き言を言うミキ隊員に、隊長が、ラストもう1本、あともう1本…といっていたら、端からコースを閉じ始めたので慌てて帰路に向かう。 
なんだかんだで、丸1日滑った。 

Westに戻り少し長めの休憩をとると、外はもう暗くなっておりナイター営業が始まっていた。 
軽く数本滑った所で、地元の小学生達と一緒になった。 
こんなちっちゃい時からスキーしてたら、相当上手くなるんだろうなぁ。 
もしかしたら、この中に未来のオリンピック選手がいたりして?なんて思っていたら、リフト待ちで後ろから突っ込まれた。 
「ごめんなさ〜い」 
未来のオリンピック選手が素直に謝る。 
ハイハイ、ごめんね、おばちゃんこそこんな所にいて。『未来の…』なんて考えてるとこっちが謝りたくなる。 

結局ナイターも2時間半ほど滑って、今日は荷物の整理やら出発の時間のチェックやら、することがたくさんあるのでこれであがることにした。 
長かったようで、明日はもう出発だ。 
帰りたくないなぁ…なんて思うが、もうスキーはいいや、というくらい満足していた。 
夕食は、最後の夜なので奮発して刺身の盛り合わせやら、焼き蟹やらをお腹いっぱいになるまで食べた。 
鮮度は良かったが、値段も高かった…。 
ホテルの居酒屋とは最も恐ろしい所だ。 
ミキ隊員は財布に100のダメージを受けた…。 

ホテル内の居酒屋帰り、アクティビティー・デスクという所で犬ゾリの写真を見かける。 
そうだ、犬ゾリ! 
北海道にきてまだしてないものといえば犬ゾリだ! 
探険家といえば、犬ゾリ!!! 
そうだ、タロとジロの出てくる『南極物語』だって、犬ゾリの犬達と探険家の友情?のお話だ(ちょっと違う)! 
明日は1時にはバスが出るため、ゆっくり滑る事も出来ないし、板を片付けたり、荷物を送ったりしていたら、全然滑れそうにない。 
ならば犬ゾリをして、着替えて片付けて…としていたら丁度いい時間になりそうだ。 
決定! 
明日は犬ゾリを行う! 
 

3月7日
最終日。 
のんびりと朝食を済ませ、犬ゾリの予約をしてから急いでチェックアウトする。 
チェックアウトは10時と決まっているんだから、もっと早く準備すればいいのにね、とお互い苦笑い。 
キャンプの時なんて、テントを片付けたり車に積んだりでもっと大変なはずなのだが、不思議と要領がいい。 
 

犬ゾリはいい、とナベ隊長が言うので、ミキ隊員だけ防寒対策のためスキーウェアに着替え犬ゾリに臨む。 
板と、荷物はまとめて宅急便で送った。 
ウェアは持って帰るので、手荷物はコインロッカーに預けた。 
「しまった、手袋送っちゃった…」 
荷物荷物、と思っていたので急いで送ってしまった。 
仕方なく売店で軍手を購入、情けない…。 
予約時間にはまだ早いが、犬ゾリ会場へ向かう。 
雪が降る中、犬たちは繋がれて丸くなっていた。 
 
後ろにある看板に、犬達の写真と、スタッフの写真が貼ってあった。 
スタッフは4人で、多分家族なんだろうな?と思われる。 
犬ゾリを教えてくれるのはお父さんで、受付がお母さん、お兄ちゃん(中学生くらい?)と弟(小学生かな?)が犬の飼育係なのだろう。 
受付を済ませ、犬ゾリコースに連れていってもらう。 
やはり受付はお母さん(なのかな、本当に?)で、教えてくれるのはお父さん(らしき人)のようだ。 
しかしそこにほっぺを赤く染めたチビッコの姿はなく、茶髪のイケてるお兄サン2人がスノーモービルでやってきた。 
思わず隊長と顔を見合す。 
『あれは一体何年前の写真なんだ…?』 

最初に、基本動作の練習。 
犬の繋がれてないソリを漕いで(ペダリングという)乗る練習、カーブの体勢、ブレーキのかけ方等など。 
いよいよ犬ゾリか?と思ったが、まずはお兄サン2人に、スノーモービルで犬ゾリコースを案内してもらった。 
スノーモービルにも乗れてラッキー! 
ナベ隊長も乗せてもらい、コースを一周。 
お兄サンが、「ここが最初のカーブなので、左に体を倒してみてくさだいね…」と、要所で説明をしてくれた。 

そして今度こそ本番! 
「犬は訓練してありますので勝手に走りますので、カーブの時だけ体を傾けて…」 
どうやら、ゴールにスープが置いてあるらしく、犬達はそれをめがけてまっしぐら!という仕組みらしい。 
そうだよね、飼い主でもないのに初対面でそんな右や左や走ってくれるわけないもんね…。 
「じゃあ行きますよ?」 
とお兄サン。 
最初は彼が先導して犬達を走らせるらしい。 
スノーモービルが走り出す。 
「ハァーイッ!」 
お兄サンの掛け声で、犬達が一斉に勢い良く走り出した。 
「おおおおおおおお〜!」 
ミキ隊員、感激の声。 
   
もっとズルズルと引っ張られるのかと思っていたが、ソリは思ったより速く、しっかり持っていないと本当にバランスを崩しそうになる。 
しかも、犬達は後ろの人間のことなど全く頭にはないので、カーブでも何でも容赦ない。 
多分、目の前のお兄サンについて行く事と、ゴール付近のスープの事でいっぱいなのだ。 

それはあっという間の出来事だった。 
「ブレーキ!」 
お父さん(?)の声で、足でブレーキング。 
犬はスープにまっしぐらだ。 
「お疲れさまでした〜」 
スープを飲み終え、落ち着いた犬を1頭連れてきて、写真を撮ってもらった。 
これで犬ゾリ体験コース終了。 
ちょっと3200円の割に「?」という感じではあったが、自分でマッシャーをたずねて体験させてもらうよりはるかに効率が良いので、仕方あるまい。 
まぁ、観光地というものはそういうものだ。 
最後に、犬をナデナデさせてもらって、犬ゾリコースを後にした。 
犬ゾリ制覇! 
雪道の移動もこれで完璧だ! 
これで、南極にも行ける!!! 
 
 

空港までのバスの時間があるので、着替えて荷物をまとめる。 
最終日はスキーをしなかったが、丸2日とナイター分を滑ったことになるので、もうスキーはイイヤ、という感じだった。 
しかし、帰り仕度をしていると、まだまだここにいたい気がしてくる。 
思えば4日間なんてあっという間だった。 
朝から夜までスキー三昧、食事は作ってもらえるし、おいしいし、部屋はきれいでお洒落だし。 
快適。 
まさにその一言。 
しかしその反面、とても恐ろしい所だ。 
面白い程、お金が飛んでいく。 
やはりビンボー人がお金持ちの真似をしてはいけないということか。 
いつもお金がないからビンボー旅をしているのだ。 
だから飛行機もホテルも利用し慣れてないのだ。 
何事も、清く貧しく美しく…これが我が「へなちょこ隊」のモットーだ。 
そうだ、いかに経費を減らし、いかに荷物を減らし、いかに移動距離をのばすか。 
今までそうやって考えて、苦労してきたのだ。 
寒い思いも暑い思いも、怖い目にもあってきた。 
思い出せ、贅沢を忘れるんだ! 
ぬるま湯に浸かっててはいかん! 
明日からは締まっていこう、財布を覗き込みそう決意するミキ隊員だった。 
 

今回の旅のまとめ。 
@北海道は冬だった。 
  まだまだ寒い日が続きそうだ。…日本は広し! 
A雪上訓練を行なった! 
  かなり上達した!…と勘違いできるのは、やはり雪質のせいか。 
Bリゾートホテルに潜入! 
  かなりのダメージを受けた。敵は強し! 
Cチュービングを行なった。 
  長年の夢がかなった! 
D巨大雪だるまと遭遇! 
  アイちゃん、声でかいよ。 
E犬ゾリを極めた!? 
  これで、シベリアでも南極でも…? 

ざっとこんな感じだが、実際、楽しかった。 
財布は痛いが、楽で快適だった。 
それはそれは楽しい遠征だった。 
 

家に着いたのは午後10時を過ぎていた。 
翌日仕事のミキ隊員は、即行で寝てしまった。 
明日も休みという隊長が、プーすけ隊員に、「無事帰還」とメールを送っていた時には起きていたそうだが、さっぱり記憶にない。 

翌朝目を覚ましたミキ隊員、昨日は北海道にいたんだなぁ、と不思議な感覚をおぼえた。 
楽しかった。 
スキーをした。それも思いっきり滑った。 
チュービングもした。 
犬ゾリもした。 
もう冬に思い残す事は何もない。 
これで安心して春を迎えられるというものだ。 

ニュースでは、沖縄は海開きだという。 
ミキ隊員の通勤途中の道路脇には、菜の花が咲いていた。 
昨日までいた北海道は、まだまだ雪が降っていた。 
日本って、本当に広いんだなぁ…。 
信号待ちの車の中で、一人考えるミキ隊員であった。

■余談だが、帰りの空港で修学旅行と思われる女子高生に囲まれ、フライトを待つことになった隊員達。 
目のやり場に困り思わず苦笑いするナベ隊長。 
ミッキーマウスの飛行機が来ていて、シャッターを押してくれと頼まれる。 
恐るべし、女子高生パワー! 
「これもお願いします〜」 
次々と渡されるカメラに、ミキ隊員も思わず苦笑いした。 
大丈夫、君らもオバチャンの素質を充分持っているよ…ほ〜ら、もうすぐだ。 
せっかくだから、飛行機と頭半分だけ写してやれば良かったかな、なんて悪いことを考えた、ミキ隊員だった。 

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